Curator's Note:
 本展覧会は、蓮輪友子の個展です。今回の展示では新作をはじめ、これまで手掛けてきた旧作、作品制作のために彼女自身が撮影した映像など、作品とドキュメントによって会場を構成しています。
 2019年末より感染が拡大する新型コロナウイルスによって、新たな美術鑑賞の形式として普及したオンライン展示をはじめ、今日のアートの在り方は目まぐるしく変化を遂げています。その中で、例えばオンライン展示によって展示空間への解釈が多様化したように、私たちがディスプレイを通してみるようになった作品の色彩についてもポスト・パンデミックの芸術として思索する必要があるでしょう。
 蓮輪友子は、これまで自身で撮影したデジタル映像をモチーフとして、絵画の制作に取り組んできました。彼女の絵画には、デジタル映像の持つ透明感や軽やかさが描かれながらも、デジタル映像には無い、絵の具から生じる独特のマチエールがあります。このような彼女の制作は、絵画の可能性をモチーフと共に更新しようというものであり、また絵画の追求といえます。描く対象がモノとして存在しない、デジタル映像から絵画を制作するという「変換」を蓮輪の作品の独自性として挙げることができます。
 そして、このような独自性あるアプローチは、ディスプレイの光から絵画を実践的に検証しようという試みであるとともに、メディアから表現を捉え直すことでこれからのアートの在り方を探求するものです。

出展作家プロフィール:

蓮輪 友子
1981年大阪府生まれ。
2004年京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業。2006年京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画修了。

主な展示、受賞歴に、「Art Seeds Hirado」(2021年、平戸市内各所、長崎)、「X AKI」(2021年、横浜市民ギャラリーあざみ野、神奈川)、「error CS0003」(2021年、TURNER GALLERY、東京)、「LICHT」(2021年、YIRI ARTS、台北)、「Flicker」(2021年、The White 東京)、「FES」(2020年、YIRI ARTS、台北)、「KAMADO EXHIBITION the norm 2020」(2020年、渋谷ヒカリエ、東京)、「虹色の滝」(2020年、水戸芸術館現代美術ギャラリー、茨城)、「BAZAR!!」(2019年、DENCHI、東京)、「HOWLING PANCAKES」(2018年、Showroom MAMA、ロッテルダム)、「LICHT」(2016年、XPO、エンスヘデー)、「Super Hero」(2016年、TETEM、エンスヘデー)、「Take a chill pill」(2014年、La farmacia、マドリッド)、「はままつ絵画公募展」市民賞(2009年、浜松市秋野不矩美術館、静岡)など。


【出展作家】
蓮輪友子

【キュレーション】
岡田翔
【インストール】
岡田翔・岩崎広大
【デザイン】
相島大地
【協賛】
ターナー色彩株式会社
【会場】
TURNER GALLERY
〒171-0052 
東京都豊島区南長崎6-1-3 ターナー色彩株式会社
・交通案内
都営地下鉄大江戸線 落合南長崎駅 A2出口より徒歩10分
西武池袋線 東長崎駅 南口より徒歩8分
【会期】
2022年2月26日(土)- 3月5日(土)
[月曜-土曜]10:00-18:00/入場無料
休廊:日曜日
Installation View: 篠田 優
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